仮想通貨で確定申告の計算方法はどのような計算方法を行えば良いでしょうか?・・・
所得税の計算方法(具体例)
具体例を見ながら計算してみるのがイメージしやすいと思いますので、次のようなサラリーマンの方のケースを想定して実際に所得税の計算をしてみましょう。
※計算で出てくる用語のくわしい意味については、さらに後の方で説明させていただいています。
◇計算の前提
・仮想通貨のセミナーに1万円で参加した
・100万円で5ビットコインを購入した(1ビットコイン=20万円)
・その後、1ビットコインだけを30万円で売却した
・サラリーマンとしての年収は600万円
・計算式の②「所得控除」に該当するものとして以下のものがあるとします
基礎控除:38万円
配偶者控除:38万円
社会保険料控除:85万円
生命保険料控除:5万円
合計額:166万円
・計算式の④「税額控除」は今回はないものとします
◇①所得の合計金額を求める
まず、計算式の①「所得の合計金額」を求めます。
この人の場合、仮想通貨売買による「雑所得」と、サラリーマンとして得ている「給与所得」の2つをそれぞれ計算して合算する必要があります。
仮想通貨取引による雑所得=売却金額30万円-購入金額20万円-必要経費1万円=9万円
給与所得=収入額600万円-給与所得控除174万円=426万円
所得の合計金額は9万円+426万円=435万円ということになります。
◇②所得控除を差し引きする
次に、計算式の②「所得控除」を計算します。
「計算の前提」にあるように、所得控除の合計額は166万円ですので、①で計算した「所得の合計額」から差し引きすると以下のようになります。
所得の合計金額435万円-所得控除166万円=269万円です。
◇③税率をかける
次に税率をかけます。
この人の場合、10%以上の税率が適用されますので、さらに控除を所得から差し引きしてもらうことができます。
269万円×10%-9万7500円=17万1500円
◇④税額控除を差し引きして所得税額を求める
この人の場合、税額控除はありませんので、上で計算した17万1500円が所得税額ということになります。
注意点としては、サラリーマンの方の場合は勤務先の会社が年末調整をしてくれますから、年末時点ですでに給与所得についての所得税は納付済みとなっていることです。
納付済みの所得税額については勤務先から発行される「源泉徴収票」に記載されていますから、上で計算した17万1500円からその金額を差し引きした金額が、確定申告で納付するべき所得税額ということになります。
◎所得税の計算方法(解説)
上で説明させていただいた所得税の計算式を再度確認すると以下の通りです。
所得税の金額=(①所得の合計金額-②所得控除)×③税率-④税額控除
所得税の計算を正しく行うためには、上の計算式の①~④の言葉の意味について正しく理解しておく必要がありますので、以下で順番に説明させていただきます。
◇①所得の合計金額
所得というのは簡単に言うと「もうけ」ということですが、どのような形で収入を得たか?によって所得は10種類に分類されます(それぞれの所得で計算方法が異なります)
この10種類の所得の金額をすべて合算して、①の「所得の合計金額」を計算するというわけですね。
例えば、サラリーマンとしてお給料の形で収入を得ている方は「給与所得」、仮想通貨による所得は「雑所得」に分類されます。
「仮想通貨による取引をしながら、サラリーマンもしている」という方であれば、雑所得の金額と給与所得の金額の合計金額が、①の「所得の合計金額」ということになります。
▲仮想通貨による所得は「雑所得」
仮想通貨による所得は「雑所得」という所得に分類され、次の計算式によって所得額を計算します。
雑所得=収入金額-必要経費の金額
仮想通貨についていえば、収入金額というのは「売却した時の金額」、必要経費というのは「購入した時の金額+セミナー代金などの費用」ということになります。
▲お給料による所得は「給与所得」
サラリーマンとして勤務先から得ているお給料は「給与所得」という所得に分類されます。
給与所得の計算方法は以下の通りです。
給与所得=収入金額-給与所得控除
給与所得控除というのは一種の必要経費のことですが、サラリーマンの方の場合は「これだけの収入がある人はこれだけの必要経費」といったように、金額があらかじめ法律で決まっているという特徴があります。
例えば、収入180万円以下の人であれば「給与所得控除=収入金額×40%」、180万円~360万円以下の人であれば「給与所得控除=収入金額×30%+18万円」というように計算します。
それぞれの給与収入ごとに適用される給与所得控除額は以下の通りです。
収入額180万円以下:収入額×40%(最低65万円)
収入額180万円超~360万円以下:収入額30%+18万円
収入額360万円超~660万円以下:収入額20%+54万円
収入額660万円超~1000万円以下:収入額10%+120万円
収入額1000万円超:220万円(上限)
所得控除
所得控除というのは、「納税をする人それぞれの家庭の事情などに応じて適用してもらうことができる控除」のことです。
例えば、まったく同じ収入の人であっても、独身で一人暮らしをしている人と、奥さんと子供3人を育てているという人とでは、生活をしていく上での負担はまったく違いますよね。
また、健康な人と病気で医療費をたくさん払わなくてはならない人とでは生活の負担感が異なります。
このような差異が不公平感につながることのないよう、例えば医療費をたくさん払っている人であればそれだけ税金を安くしてもらうことができるというわけです。
所得控除には医療費控除や社会保険料控除、配偶者控除や生命保険料控除など合計14種類のものがあります。
◇③税率
日本の所得税は「所得をたくさん得ている人ほど、高い税率が適用される」という仕組みになっています(これを累進課税といいます)
例えば、①と②で計算した所得額が195万円以下の人であれば税率は5%、195万円~330万円以下の人であれば10%といった具合です。
なお、10%以上の税率が適用される人の場合は、税率をかけた後にさらに「控除額」を差し引きしてもらうことができます。
所得の金額ごとの所得税率と、控除額は以下のようになります。
所得金額195万円以下:5%(控除額は0円)
所得金額195万円超~330万円以下:10%(控除額9万7500円)
所得金額330万円超~695万円以下:20%(控除額42万7500円)
所得金額695万円超~900万円以下:23%(控除額63万6000円)
所得金額900万円超~1800万円以下:33%(控除額153万6000円)
所得金額1800万円超~4000万円以下:40%(控除額279万6000円)
所得金額4000万円超~:45%(控除額479万6000円)
例えば、①の所得の合計金額が1000万円、②の所得控除の金額が300万円という人であれば、①-②は700万円です。
この場合、適用される税率は23%で、控除額として63万6000円を差し引きしてもらえるということになります。
◇④税額控除
税額控除は、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合や、特定の団体に寄付をしたような場合に適用してもらえる控除です。
②で説明させていただいた所得控除と少し似ていますが、所得控除は「控除額×税率」で計算して所得から差し引きするのに対して、税額控除は「控除額そのまま」を所得から差し引きしてもらうことができます。
当然、税額控除の方が有利ということになりますから、適用できる税額控除がある場合には必ず所得税の計算に含めるようにしましょう。
税額控除には住宅ローン控除や寄付金控除などがあります。
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サラリーマン、OLや主婦、学生、個人事業主などに関しても条件が違うのであれば出来る限り詳しくお聞きしたいと思います。確定申告の計算方法は難しいでしょうか?素人でも簡単に出来るのでしょうか?
仮想通貨取引の確定申告はそれほど難しいものではありませんので、経験のない方であっても自分で計算することは可能だと思います。
なお、確定申告というのは具体的に言うと「自分の所得税の金額を計算して、税務署に報告する手続き」のことです。
所得税の計算方法は以下の通りです。
所得税の金額=(①所得の合計金額-②所得控除)×③税率-④税額控除
①の所得の合計金額というのは、仮想通貨取引によって得た所得の金額のことです。
仮想通貨取引による所得は「売却金額-購入金額-必要経費」で計算します。
なお、所得税の計算を行うときには、上の仮想通貨による所得に加えて、サラリーマンとしてお給料で得た所得などについても合算する必要がありますので注意してください。