三菱UFJの仮想通貨MUFGコインの進展・国際送金・テザー的存在
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三菱UFJ銀行が独自に開発したデジタル通貨であるMUFGコインが本格的に利用できるよう実証実験が行われています。MUFGコインの最近の流れについてまとめてみます。
■仮想通貨MUFGコイン、来年にも10万人規模の実証実験
三菱UFJ銀行がMUFGコインを買い物などの支払いに利用する事ができるよう、来年に10万人規模の実証実験を行うと15日、NHKが報じました。
MUFGコインはブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨で、1コインあたり1円と価値を固定しています。
NHKが報じた内容によれば、実証実験は10万人規模を想定しており、利用者はスマートフォンに専用のアプリを入れた上で、口座預金をデジタル通貨に替えて使用すると言います。
実験では、コンビニや飲食店での支払いのほかに、割り勘などの個人間の送金にも利用してもらい、決済がスムーズに行われるかやセキュリティ面での問題がないかなどを検証する予定としています。
三菱UFJ銀行では昨年から自社の社員、約1500人がMUFGコインの実証実験に参加しており、ある程度のデメリットや欠点を見つけていることで、今回は実際に街中でユーザがどのような受け入れをしていくかと次の段階へ進んだ形と言えます。
自社の社員は実際、割り勘での支払いなど、社員間でのお金のやり取りに使われており、4月には東京の本部ビル内でのコンビニエンスストアでMUFGコインの支払いに対応するレジを設け、米アマゾンの認証技術を使ったレジを使わないで買い物の決済をする無人店舗の実証実験も行っています。
街中での買い物で実証実験の段階ですが、実際にMUFGコインが出回ることになります。
■今後、国際送金にも仮想通貨MUFGコインが使われる可能性も
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱商事が、タイや英国の金融機関と提携して、リップルのシステムを使った国際送金の実証実験を今月中にも開始する事になりました。
数年内の実用化を目指すと言う事を読売新聞と時事通信が伝えています。
MUFGコインが街中で実証実験後に本格導入するようになれば、買い物を済ませた後、その場でリップルのシステムを使った国際送金をスマートフォンアプリから実行できる可能性もあります。
現行の国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークでは、国際送金が数日間かかっていることもあって、リップルのブロックチェーンを利用する事で、数分間に短縮する事も見込まれています。
リップルの話では手数料を約3割も削減できる可能性があるために、国際送金するのに窓口にわざわざ向かうことなく、スマートフォンアプリにて国際送金する事で約3割の送金手数料が削減できれば、人々はそちらに方を優先に使うことでしょう。
MUFGコインがブロックチェーンシステムと共に今後、既存の三菱UFJ銀行の業務を大幅に変えていくことにも考えられます。
■仮想通貨MUFGコインが、今後国産テザー的存在になる可能性も
MUFGコインの特徴として、1コインあたり1円と価値を固定している所に、現在仮想通貨で法定通貨の価値と連動しているペグ通貨して有名なテザー(USDT)的な存在になる可能性もあります。
テザーはブロックチェーンの利点と機能性を活用しつつ、法定通貨のペグされ安定した価値の移動を実現しているとして、他の仮想通貨に比べ、安全な仮想通貨としても知られています。
発行されるテザーは全て、同額の法定通貨によって安全に裏付けされているために1USドルは常に1USDTで取引できるようになっています。
日本ではまだテザー的な存在の仮想通貨がないために、MUFGコインがバックに三菱UFJ銀行がいるために知名度の高さなどから、今後その地位を確立していく可能性があります。
MUFGコインが三菱UFJ銀行の口座残高と連動するのであれば、MUFGコインを使うのは面倒と言う事もなくなり、さらに普及率が高くなることも考えられます。
さらにMUFGコインが今後仮想通貨取引でも用いられるようになれば、ますますテザー的存在と市場関係者が認めることも考えられるため、その後世界的に使われ始めれば、副産物として、日本国内に観光に来る外国人観光客向けのインバウンドビジネスにも効果をもたらすことも考えられます。
今は国内でのサービスを集中的に実証実験し、今後サービス拡大するに当たっては様々な可能性があると言えます。
■三菱UFJの仮想通貨MUFGコインの進展 まとめ
仮想通貨MUFGコインはあまり広まらないのではと言う懸念が世間に広まっていましたが、今後街中での実証実験を通じ、ある程度の効果が見られるようになれば、利用する人は確実に増えてくるでしょう。
国産テザー的存在を持つのであれば、海外からも日本円に対する信頼感は高いために、多くの人々が保有したいと思うはずです。
MUFGコインによって多くの可能性がありつつも、銀行にとっては人員削減による効果も見込めるために、今後、銀行行員が窓口にいるのもごく少数になり、むしろ資産運用の相談窓口が街のあらゆるところで開設されていくことも考えられます。
メガバンクが推進するデジタル通貨では、みずほフィナンシャルグループなどが開発しているJコインもあり、現在みずほ銀行は福島県の東邦銀行と提携し、6月にも福島県にて実証実験を行う事が発表されたために、国内での金融機関発行の仮想通貨は今後ますます競争が激しくなるとも思われます。